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97.1.19
- ひさしぶりにホロヴィッツとミケランジェリの弾くショパンを続けて聴いて、いや〜もう浸った浸った。ホロヴィッツのピアノはすごく官能的、つまりエッチな感じがする。生命感にあふれてキラキラしてる。ミケランジェリは月の光のように冷たくとぎすまされていて、夜のショパンという感じ。ミケランジェリが弾くと、ショパンってこんなにいい作曲家だったのか〜と驚く。どれもこれもものすごくいい曲にきこえる。「きこえる」なんて失礼な言い草だけど、ほんとにそうなんだもん。
98.10.22 11:30
- オリジナルだと思いこんでいた、自分の某曲のイントロのフレーズが、ドノバンの歌の中にあるのを発見してびっくり。2小節だけだけど。まるっきり忘れてたんだなー。あ、「某」なんて言わなくていいか。「時の少女」にはいってる「ポンピイクラウン」です。ドノバンの「Wear Your Love Like Heaven」に同じフレーズが出てくるざんす。
- ドノバンを聴いてたのは中学生の頃ですが、そのあと全く聴かなくなってました。この夏CDで買い直してひさしぶりに聴いて、ななななな、なんていいんだ!! と驚き、それ以来ハマってます。曲もサウンドもいいけど、それ以上にボーカルがなんともいえずよい〜。中学生の頃はこの良さが全然わからなかったんだなあ。何聴いてたんだろう。というわけで好きな男性ボーカリストのベスト3がベスト4になってしまいました。ブライアン・フェリーとジョン・レノンとジム・モリソンとドノバン。
2000/2/18(金)
- 最近気になってるのが、雅楽ミュージシャンの東儀秀樹さんです。なんで気になるかというと、若い頃のN氏に似てるのです。最初に見たのは道路沿いにあった集英社新書の看板で、「なんでこんなところにN氏が!?」と驚きました。その後本屋さんで同じポスターを近くで見たら「東儀秀樹」という名前が書いてあって、「ああ、何か邦楽の人だっけ…」と曖昧ながら認識しました。近くで写真を見ると顔立ちは似てませんでしたが、その後テレビに出てるのを見たら、動作や物腰、それに遠目の輪郭がやっぱりそっくりで、N氏本人も「こんな似てる人を初めて見た」と言ってたくらいです。さらにその後、雑誌のインタビュー記事やホームページも見たのですが、性格にも趣味にも共通点がいっぱいあってまた驚きました。もう最近は勝手に「N氏の弟」と呼んでます(^^;) と興味を持ってるわりにまだ音楽はほとんど聴いたことないのですが…テレビのスタジオで、篳篥(ひちりき)で「タイタニックのテーマ」を吹いてるのを聴いただけ。今度CDを買ってきてちゃんと聴いてみようと思ってます。そういえば今年の元旦にテレビをつけたらたまたま雅楽の演奏と踊り(なんと呼ぶのか知らないので「踊り」(^^;))をやっていて、自分でも意外なことにすごくひきこまれて聴いてしまったという経験をしたばかりでした。いいタイミングなのでオリジナル曲だけじゃなくて雅楽のCDも聴いてみます。
2000/2/21(月)22:24
- 東儀秀樹さんのCD、買ってきました。東儀さんの「雅楽」というアルバムの他に、東京楽所の4枚組の雅楽のアルバム(こちらのメンバーリストにも東儀秀樹さんの名前がありました)と、宮内庁楽部の舞楽のビデオまで買ってきちゃいました。すごくおもしろいです、雅楽。意識が思い切りトリップします。いわゆる民族音楽にはトリップできるものが多いと思うけど、中でも雅楽はわたしにとってはトリップ度トップクラスです。日常の閉塞感をバリバリ破って、どこだかわからない外へと連れて行ってくれます。楽器同士の微妙なピッチのずれ、タイミングのずれ、西洋的に言う不協和音の快感、ボルタメントの角度やスピードの絶妙なずれ、そして独特のリズム感…というより時間感という感じの不思議なノリ。そういう要素がどれもツボにハマるというか、肌にぴったりきます。龍笛と篳篥が、オクターブユニゾンでメロディを吹いてる…と思ったらいきなり半音ずれる。この「いきなりの半音」の気持ちよさはとても言葉で表現できません。
とは言うものの、どシロートの悲しさで、まだ曲の区別がつきません(^^;) 何度か聴いてもどれがどれだったか判別がつかない…『越天楽』だけはわかるんだけど。あれは誰でもわかるか。
その『越天楽』を秀雅会(東儀秀樹さんの率いる楽団)のと東京楽所のと聴き比べてみました。すごく違う印象がありました。秀雅会の方がピッチやタイミングがすっきり合ってて、透明度が高い感じ。それと、時間に対してゆったりかまえているような感じ。わたしはどっちもそれぞれ好きで、どっちがいいとは言えませんが、本来の雅楽に近いのはどっちなんだろう? と思いました。つまり、ピッチやタイミングのずれは、楽器の特性などからどうしても起こってしまうもので、なければない方がいいものなのか、それともそういうのも大事な要素なのか。…って、もしかしてとんでもなく初心者な疑問だろうか(^^;) 右も左もわからないので、書いてて不安ですー(初心者の感想を小声で言えば、あのずれがけっこう刺激的だなーと思うので、ゼロになっちゃったらおもしろくないかも…でも実は単に人数の問題とかだったりして…)。
それにしても『越天楽』だけをつごう6回…時間にして1時間くらい聴き続けたけど、そんなに時間がたったように感じませんでした。この音楽の中での時間の流れ方は、普通とだいぶ違うみたいです。ああそれと、雅楽はテンポは非常にまったりしてるのですが、いわゆるヒーリング系の音楽ではないようです。副交感神経優位にならずに、むしろ交感神経が刺激されて興奮します。寝る前に聴いたら、頭の中で篳篥と笙の音がディレイつきで踊り狂って、なかなか静かにならなくて困りました(^^;) 同じ理由で、「ながら聴き」にも向かないと思います。
2000/3/7(火)22:44
- 雅楽から、なぜかガムラン→再結成キングクリムゾンというコースをたどって、ひさしぶりに「ディシプリン(新生クリムゾンの1枚目)」を聴いたらむちゃくちゃ興奮しました。カッコいいなあ。なんでこんなカッコいいものがこの世に存在するんだろう。と思うくらいよかった。前も好きだったけど、段違いに好きになってました。春だからでしょうか。春はいろんなものが活性化するから。
2000/3/30(木)0:48
- 舞楽(雅楽の踊り)のビデオを見ました。すごくおもしろかったです。でも「感動した」とか「よかった」とかいうのとはちょっと違って、何かすごいもの、奇妙なものを見てしまってドキドキした、という感じです。特に「安摩」という舞が気に入りました。ドキドキするのは、ひとつには仮面のせいだと思います。仮面をつけて踊っている人物というのは怖ろしいですね。つけている仮面の向こう側に、自分の心の闇を投影してしまうからかもしれません。「安摩」の面は特にヘンで、面を見てるだけで興奮してきます。それに加えて、動きがゆっくりで、意味不明(なのはわたしの無知のせい)なのに不思議と意味ありげで、同じ動きが繰り返されるのをじっと見ていると、意識化されない混沌のドラマにひきずりこまれそうになります。雅楽を初めて聴いた時にも感じましたが、テンポのゆっくりしたところに、特別な魔力があるように思います。
宮内庁楽部にはいる人たちは普通15歳から学校に入って訓練を始めるそうですね。東儀秀樹さんは18歳で始めたので遅すぎるんじゃないかと周りの人に言われた、という話を何かで読みました。でも15歳と18歳ってそんなに違うかなあ。18が遅いなら15だって充分遅いと思うけど…。早い遅いを問題にするなら、アジア中から天才の赤ん坊(をどう見分けるかが問題ですが)を集めてきて、西洋音楽にも西洋文化にもいっさい触れさせないでゼロ歳から雅楽だけをたたきこんでチームを作ったら、それはものすごいものが聴けるかもしれないですよね…。
2000/5/3(水)2:24
- 雅楽からガムランやクリムゾンに寄り道したあと、予定では能に凝るはずだったんですが、どういうわけか突然サティのブームが来ちゃいました。このごろはCDっていうとサティしかかけてません。今までサティはほとんど聴いてなくて(CDも2枚しかなかった)、別に嫌いじゃないけど少し距離のあるような、どことなくよそよそしい存在だったんですが、4月半ばあたりを境にして突然誰よりも身近な音楽家になってしまったのでした。きっかけは、N氏が買ってきたラヴェルのピアノコンチェルトin G(ミケランジェリ)の2楽章を聴いたことでした。美しい曲でしたが、その美しさがサティを思い出させて、むしょうにサティが聴きたくなって、家にあるのを引っ張り出して聴いたら、そのまま底なし沼のようにハマってしまったのでした。新たにCDを何枚かと、あと楽譜もたくさん買ってきました。サティって(技術的には)簡単な曲はめちゃくちゃ簡単で、練習ほとんどなしでいきなり弾けちゃったりするのです。で、同じ曲をただただ繰り返し弾き続けていると、気持ちよくてやめられなくなります。譜面に謎の言葉がちりばめてある曲もあって、その言葉と音の相互作用で意識はどんどん遠い世界へ…。以前(15年くらい前)にも同じ曲を弾いてみたことがあるんだけど、あの時はぜんぜんそんなことなかったので、やっぱり相性にはタイミングという要素もあるんですね。聴く方は、現在のお気に入りは「メデューサの罠」とか「びっくり箱」みたいなポップでトリックスターが暴れてるみたいな感じの曲です。静かな曲は「ジムノペディ」とかのすごーくゆっくりな演奏のを買ってきたので(というか聴いてみたら驚くほどゆっくりだった)入眠用に寝室でかけてます。おとといは、ひさしぶりに8度台の熱を出して寝てたんですが、うたた寝してる間ずっとサティの曲のポップなフレーズが頭の中で鳴ってました。そういえば昼間寝てるときは「バーイトさがしにフロムA〜」が鳴ってたな(^^;)
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